街波通信103 本が読みたい

 

図書館の司書さんに、この地域に縁のある本選びを手伝ってもらいました。

成東図書館

〒289-1324千葉県山武市殿台290-1
TEL.0475-80-2299


つらつら椿[小説古泉千樫]

志賀葉子/1997年/甲陽書房
伊藤左千夫、斎藤茂吉、島木赤彦らとともに「アララギ」草創期の歌壇の重鎮で、日本近代短歌史に名を刻んだ歌人・古泉千樫。千樫とその時代、彼を巡る男女の姿を、千樫と同郷に生まれた著者が生き生きと描く伝記小説。
 
伊能図大全
渡辺一郎監修/全7巻
2013年/河出書房新社
日本全国を初めて詳細に実測した近代地図の集大成。国内だけでなく世界中に現存する伊能忠敬の地図や模写図を網羅した完全版。伊能図ファンのみならず多くの歴史・地理・郷土愛好家必見。精密に描かれた街道をたどれば、浮かび上がってくる二百年前の津々浦々。

館内には思わず本を手に取りたくなるようなPOPや展示が多く、
文学を身近に感じることが出来る。

(写真は昨年秋のハロウィーンコーナー)

 

四千万歩の男
井上ひさし/全5巻/講談社文庫
ひたすら歩くという愚直な方法で日本地図を作り上げた伊能忠敬が主人公の小説。田舎の貧しい家に生まれたが、才を認められ江戸の商家の養子となる。忠敬は店の商いに身を捧げ、妻(小説では悪妻キャラ)が亡くなり、還暦間近になって天文学に没頭し、幕府の天文学者と懇意になり歩いて地図を作る旅にでる。

 

われら、夢の甲子園
~成東高校汗と涙の十四年~
松戸健/1976年/新潮社
剛腕投手を擁して銚子商との世紀の激闘を演じたのち、4年連続で同じ相手に1点差で敗れ、「悲運の成東」と呼ばれていた。その4年間のうち2年は千葉勢が全国制覇を果たした千葉高校野球の黄金時代でもあった。

さんぶの森図書館

〒289-1223千葉県山武市埴谷1904-5
TEL.0475-80-9101

千葉県山武市 被災地記録集
「語りつごう3・11
 震災をのり越えて」
2013年/地域再生協議会
「東北地方の海岸に残された石碑に刻まれた先人の教えが多くの人命や財産を護ったように、遠い将来のある日、色あせて埃を被ったこの記録集が、あるいはそれを読んだ記憶が、私たちの子孫の生命を救うかも知れません。そんな日の来ない事を祈りながら、編集にあたられた方々のご苦労に心から感謝の意を捧げます。
――山武市長 椎名千収」
体験談や写真をはじめ、元禄大津波の記録など、多くの人が携わって完成した一冊。図書館ではDVDも一緒に貸出している。

 

 

◎館内の展示
山武市ふれあいセンター建物の入り口から図書館へ続くアプローチには、山武地域の遺跡や地元の偉人蕨真について展示している。(写真:い)
また、旧山武町名誉町民の麻生磯次氏についての展示も。
麻生氏は旧山武町戸田に生まれ江戸庶民文学の研究で有名で、「最後の文人墨客」とも呼ばれた人物。
図書館には麻生氏の研究による著書が書庫に多数保管されており、館内ではあるがそれらも読むことが出来る。(写真:ろ)


 

鉱泉旅館『成東館』物語
2002年/成東町
明治30年代に、作田川の畔、浪切不動尊を見上げる場所に立派な鉱泉旅館が出現した。その後わずか30年という短い間だけ、明治から大正、昭和への町の遷り変りを見届けて閉館となった『成東館』の盛衰記。

アララギの創始者 蕨真物語
(左)2006年/山武町教育委員会
(右)阿迦雲
正岡子規の門下生だった蕨真は、子規の死後同郷の伊藤左千夫らとともに『馬酔木』の編集委員となり、その数年後に埴岡短歌会を発足。その後左千夫とともに山武の自宅で『阿羅々木』を発刊、その後埴岡農林学校を創設し、学校運営や林業経営に努めた。右の写真は蕨真の死後、弟橿堂が作った歌誌「阿迦雲」。


美しい村(未完)  大正14年(推定)・芥川龍之介

 「美しい村」と言えば堀辰雄の小説を連想する人は多いと思うが、文豪芥川龍之介の未完の小説の存在はあまり知られていない。
 大正13年4月、人気作家、当時32歳の芥川龍之介は千葉県印旛郡にある八街町を訪れた。この町で実際に起こった紛争について、直に現地へ赴き取材を行って作品に認めようとしたらしい。
 芥川が初めて作品を発表したのが22歳、自ら命を絶ったのが35歳というから晩年といえば晩年。取材で旅行することなどめったにない芥川は、八街町で実際に取材を行ない、東京に戻って執筆を始める。しかし、どういう訳か作品は未完のままとなってしまった。
 八街町は作品の中では「浅井村」として、


 浅井は美しい村である。いや、今は村ではない。今上天皇の御即位と共に町制を布いたと云ふことである。同時に又美しい昔の景色も大半は失はれたと云ふことである。しかし今は問ふ所ではない。わたしの読者に紹介したいのは御大典以前ーと云ふよりも寧ろ日露の戦役さへ始まらぬ以前の浅井村である。まだ電機の会社も興らず、製紙の工場も建たなかった二十年以前の浅井村である。


という書き出し。その後、町の位置関係を俯瞰(ふかん)で美しく描写し、取材の時点から20年位を振り返って、村誕生の経緯から明治35年くらいまでの様子を描いている。
 ある朝、浅井村の大地主、奥村喜右衛門のもとへ「黎明新聞」という見慣れない郵便物を手にする。…と、いよいよ物語がはじまる直前のわずか原稿用紙9枚分を埋めただけで、未完成。原稿は「彼は老眼鏡」というフレーズで突然終わっている。
 芥川がどのようないきさつで八街町を小説の舞台にしたのか、物語がなぜ未完で終わったのか、そしてこの物語がどのように展開していく筈だったのかは誰も知らない。しかし、小説がもし完成していたら小作騒動という社会問題を取り上げた新境地ともいえる作品になっていたことは間違いない。

城西国際大学 水田記念図書館

〒283-8555 千葉県東金市求名一番地 TEL.0475-55-8812 http://library.jiu.ac.jp

 城西国際大学開学10周年を記念して開館された「水田記念図書館」では、一般市民も蔵書の閲覧をすることができます。
 蔵書数は25万冊以上・雑誌は約700誌。女性学、看護、福祉、薬学など教育・研究のための多数の専門書、参考図書、映像資料、資格書を所蔵しています。水田記念図書館では、総合大学ならではの公共図書館ではなかなかみることができない貴重な資料や専門書などがあります。
 入口から広がる中央大階段と吹抜けの景観が素敵な図書館に足を運んでみませんか?
※ライブラリー会員(4年間2000円)に 登録すると本を貸りることができます。

 

*開館時間や休館日は、大学内
 の試験等の行事によって異な
 ります。
 来館前にホームページをご確
 認いただくか、電話にてお問
 い合わせください。


百姓志願 僕たち一家が村に入るまで
中村顕治/1987年/自然食通信社
百姓になろう。サラリーマン社会に染まり切れない男は、そう決めたその日から、「土と生きる暮し」へ向かって、ひた走る。黒々とした大地から立ち昇る香りと、草木や土の上を駆けまわる動物たちの生命の営みに囲まれた日々の何と心安らぐことか。求める生き方をようやく手にした中村一家の17年にわたる『百姓への道』。移住先は八街。

わかれ霜 風説九十九里真忠組
鈴木克久/2012年/崙書房
幕末、房総半島・九十九里浜片貝地方で結成された尊皇攘夷派の民間団体、真忠組。武士が次第に九十九里一帯の貧民を組織していく。しかし「世直し」を掲げた真忠組は幕府軍に敗れ、壊滅する。いつの世にも若者は熱い思いを抱いて生きている。同じ九十九里の地に生きる著者が百数十年を経て、鎮魂の想いを込めて描いた大著。


百姓たちの江戸時代
渡辺尚志/2009年/筑摩書房
江戸時代の人口の八割は百姓だった。私たちの先祖である彼らは、何を思い、どのように暮らしたのか?何を食べ、何を着て、どのように働き、学び、遊んだのか?無数の無名の人々の営みに光をあて、今を生きる私たちの生活を見つめなおす。東金前嶋家の農作業の経営努力や台所事情、茂原の百姓一揆のいきさつまで、人々の暮らしが目に浮かぶ。

あい永遠に在り
高田郁/2013年/角川春樹事務所
73歳にして、北海道開拓を志した医師・関寛斎。藩医師や戊辰戦争における野戦病院での功績など、地位や名誉を捨ててまでも彼は北の大地を目指した。そんな夫を傍らで支え続けた妻・あい。幕末から明治へと激動の時代を生き波乱の生涯を送ったふたりの育んだ愛のかたちとは―。妻・あいの視点から描く、歴史上に実在した知られざる傑物の姿とは―。


毎週土曜日の午後3時からは、幼児向けの「おはなし会」がひらかれています。図書館こどもフェスタなど、季節毎に子ども向けのイベントも開催。
昨夏に行われた1日図書館員体験も大人気でした。

 

東金図書館

〒283-0068千葉県東金市東岩崎1-1
TEL.0475-50-1190


城西国際大学成東インフォメーションセンター内に設けられた児童図書館、「JIUキッズ・ライブラリー」。
たくさんの方々の寄贈による国内外の多数の絵本は子どもだけでなく、大人も楽しめそうです。
毎月イベントを開催しています。どなたもお気軽にご参加ください。

 

JIUキッズ・ライブラリー

〒289-1345千葉県山武市津辺275-1
TEL.0475-55-7685(生涯教育センター)
TEL.0475-82-7230(JIUキッズ・ライブラリー)