「連休明けたら一気に始まるから来てみて下さい。」とお誘いをいただいていたので、GW明けの土曜日の午後、戸田さんのお庭を訪れてみた。
 白髪に丸眼鏡、チェックのボタンダウン、カーゴパンツというスタイルで出迎えてくれた戸田さん、この日の午前中は地元小学校の新校舎落成の式典に出てきたという。さっそくお目当ての野いちごを紹介してくれた。フレーズ・デ・ボア(森のイチゴ)は、収穫の時期が短く、採ってしまうと傷みが早いのでフレッシュな状態で流通することはほとんどない。リキュールやソース、またスィーツの材料としてホールの状態で冷凍したものがわずかに生産者からネット販売されている程度だが、市場で希少なだけに高級食材として扱われる。
「小学校を退職したら、うちの畑にブルーベリー園でも作ってみようかと少しずつ勉強を始めていたところ、インターネットで愛媛県の西条市にある西条ブルーベリー園を見つけて、そこで偶然このフレーズ・デ・ボアと出会ったんです。最初はね、たったの5株だけだったんだけど、年々増えて、今じゃたいへんな状態なワケですよ。ははは。」
 山に入ると生えている野いちごをちょっと品良くした感じ。ほんのり甘く、優しい酸味はラズベリーに近いか。
 味わっている間もなく、こんどは少し離れたブラックベリーの畑を案内してくれた。
「いま植えているブラックベリーはぜんぶで6種類。ブラックベリーはいまのところ100株くらいかなぁ。極大種なんかは一粒で10g~13gある珍しいのもあります。全部生食用なんで、安心してぱっとつまんで食べて欲しいから虫が出ても無農薬にこだわってるんですよ。」
 そんなに植えているのだから、本格的に商業農園をやっているのかというと実際はそうでもない。戸田さんは実に多彩な趣味を持つアーティストだ。教職の傍ら、ふるさとの景色や植物などを水彩画として描いてきた。斉藤信夫氏に詩作を学んだことから、地域の幼稚園の校歌を数多く手掛けている。商売っ気がまったくなく、無頓着で、作ったものはひとにあげてしまうので絵画も多くは原画がどこへ行ったかよくわからない。若い頃作った童謡がスタンダードとして使用されていたりするらしい。
 そんな戸田さんにとって農園は趣味の延長のようだ。
 「東金にある『みのりの郷東金』の中のレストランが使ってみたいって言ってたから持って行ってあげたんですよ。」
手塩にかけて作ったもので、新しく出逢いの輪が広がったり、お世話になった方々が喜んで使ってくれるのが何より嬉しい。
 5月いっぱいがフレーズ・デ・ボアの収穫期。6月に入ると、訪問したときに白く可愛らしい花を付けていたブラックベリーが一気に収穫の時期を迎えた。
 「ひとつ非常に困ったことがあるんですけどね、ブラックベリーが実る時期は海釣りが忙しくて収穫どころではなくなっちゃうんですよ。
ははは。」
 懲りないお人である。
 なんとも平和な悩みを打ち明けられた。

野苺の実の
花言葉は
「成果がみのる」。
人と人が出逢ったことで
どんどんいろいろな事が実っていきます。
…どんな「味」の実がなるのか、
それは、相性次第ですが。

街波通信特別企画

 

 

戸田さんのブラックベリー  ×


 戸田さんのブラックベリーが最盛期を迎えた7月、街波通信社ではこれをどうにか地元でおいしく食べて貰えないかと考えていました。
 そんな時、発見。いい場所にいい店がありました。出逢いとは不思議なものです。
 場所は、東金市立東小学校と東中学校を結ぶ道路と126号東金バイパスがクロスする交差点(セブンイレブンの向かい)。お店の名前は「Kitchen POSH(キッチンポッシュ)」。
 5月にオープンしたばかりのオリジナル・ジェラートとロースト・チキンのお店です。
 ミルク、黒ゴマ、ストロベリー、ヨーグルト、チョコレート、抹茶、コーヒーなどの定番に加えて、トマトやキウイなどの野菜や果物の果汁・果肉の入ったフレッシュなジェラート…。
 ジェラートは作りたてが一番おいしい。日替わりで6〜8種類をチョイスして毎日仕込みをします。
 そして、無理言って作ってもらったのが「戸田さんのブラックベリー(写真)」。カシスのような赤、絶妙な酸味。何よりも新鮮な採れたて素材そのものの味。試作を終えて「地元の素材の味を活かした美味しいジェラートができました。是非たくさんの方にご賞味いただきたいです。」
 戸田さんの畑でフレッシュなブラックベリーが採れる8月上旬まで、店頭ではお盆頃まで出してくれるそうです。
(期間・数量限定、売切御免。万一お求めできない場合でも怒らないで下さいね。)

Kitchen POSH(キッチンポッシュ)
東金市田間961-4ユニオンビル102 ☎0475-77-7387